Day 1Y+349
人生100年時代を迎えると、丁度50歳で折り返し地点。
20歳~80歳まで働くとしても、50歳が同じく中間地点。
そこから先を「後は峠を下りながら守るだけ」ととるのか、「まだまだこれから」と考えるのか、人それぞれだと思いますが、私はこの辺り(45歳~55歳)を”人生の第二創業期”として、人生を豊かにする最も大事な時期だと思っています。
20代や30代は、キャリア開発(デベロッピング)の時期。
自分のスキルを積み上げ、自分と向き合いながら揺るぎない価値観を築く頃。
新しいチャレンジをする際には、これまでの経験値や想いを、ゼロベースから見直す、そんなことがあってもいい年代です。
一方で45歳を越えてくると、自分の価値観も自覚して行動するようになるし、積み上げてきた経験も簡単には捨てられない。
今のままでは満足できない自分がいたとしても、ゼロベースからのチャレンジにはとまどいや不安がある。
だからこそ、キャリア調整(フィッティング/アジャスト)の時期なのではと。
勿論、新しいことをゼロから始めることも、折り返し地点ですから、まだまだ時間もありますし可能です。そんな選択で人生を豊かにしている方もいらっしゃいます。
ただ、これまで培ってきたものや、自分の価値観を無視しての挑戦と言うのは、さすがに厳しい方が多いのでは。
むしろ試してみるべきことは、新しい場所や世界での、自分のこれまで培ってきたものの可能性を確認する作業です。
「私はずっと役所で事務作業ばかりやっていて、なんの取り柄もないんです。ただ、この歳になって、社会に何か貢献できればと思って…」
プロボノ(注:仕事を通じて培った知識やスキル、経験を活用して社会貢献する活動全般を指す言葉)をしてみたいという相談をされにきた方。
「まずは、簡単なことでも良いから、自分の興味の持てる団体さんのお手伝いをしてみます」と決め、動き始めました。
今では、NPOなどを中心に、助成申請に関するアドバイザーとして活躍されています。役所で培った書類処理の実務経験が、申請団体に必要なスキルの一つだったのです。
この方が、最初の段階で「助成申請アドバイザー求む!」という求人と仮に出会っても、自分が該当者だと思うことはなかったでしょう。関心を持てる団体さんと出会い、お互いが”フィッティング”の時間を持てたことからこそ、可能性が具体化したのだと思います。
こんな事例が、本当に沢山あります。
いきなりのマッチングでピッタリと合うケースは、例外中の例外です。
実際に試してみて、合いそうならさらに先に進む。
45歳~55歳の人生第二創業期は、キャリアを開発するのではなく調整する。そんな心持であれば、不安も和らぎ「まだまだこれから」と、挑戦ができるのではないでしょうか。
いきなり転職や起業、地域デビューなんてしなくても良いんです。
第二創業は本業の傍らで、小さく始めることができるんですから。