今回ご登場いただくのは、地理バッ地理® きょういく研究所 代表の澤内隆さん。教員として定年まで勤めあげた澤内さんの現在の肩書きは40以上! 自分の仕事をとことん好きなになって面白がることで広がる世界とは?
Age100.ing People file No.3
地理バッ地理® きょういく研究所 代表 澤内隆
「“遊(あそ)ビジネス”をする!」
澤内さんの、現在のお仕事を一言で説明することは難しい。ご本人は「エデュテイメンター」と呼称されているが、それがどんなことをしている人なのか・・・。
「仕事をタイトルとかで判断する人っているじゃない。そういう人って一緒にいても、あまり楽しくないよね。“え? 何ですかそれ? ぜひ聞かせてくださいよ!” という感じで興味持って反応してくれる人は面白いよね。」
澤内さん、実は、教師という仕事を定年まで勤めあげた、一般的なイメージとしてはとても「堅い」経歴をお持ちだ。しかし、バイタリティとおやじギャグに溢れる会話からは、柔らか過ぎる?ほどの印象。
「すごく沢山のことをやっているけど、根っこではつながっていて、出だしは一緒。地理が本当に好きで、好きでたまらなくて、どうやってこの魅力を知ってもらおうかと実践しているうちにこうなっちゃった。」
地理のことがそんなに好きになったきっかけは?
「とても単純。中一の時の地理の先生が、自分の書いた修学旅行のレポートを、凄く誉めてくれたから。地理っていいなぁと。」
澤内さんは教員時代、修学旅行やレクレーション行事の担当を、30年以上務めたそうだ。時間に追われ、部活の顧問にもなかなかなり手のいない学校現場で、これは大変なこと。地理は教室で学ぶものでなく、現地で体感するものという想いから、生徒が「外」に出る機会を大事にしたかったご様子。
「いやいや、それだけじゃなくて、人が嫌がるようなところにこそ面白いことがあるからね。自分は”遊(あそ)ビジネス“をずっとやってきていると思っている」
「一度つながった人とは、こちらから切らない」
“二枚目の名刺”を持つことは、最近のビジネスパーソンにトレンドだが、澤内さんの名刺の数は、ざっと四十枚(種類)を越えている。
「一度出会った人と、こちらから縁を切ることはないので、何十年もお付き合いしている人が多い。先方から、“ぜひ名刺持ってください”って渡されるケースがほとんどで、いつの間にか増えちゃった。だから、逆に相手から疎遠にされても、どうぞ、どうぞという感じで全然気にならない。」
澤内さんが、“ご自身”で用意されている名刺もユニークなものばかり。食べられる名刺とか、くじ付き名刺などなど。
「名刺渡す時って最初にその人と会話する場面。きっかけとして盛り上がるだけでいいじゃない。名前を覚えてもらうってこともあるけど、変わった名刺を渡したときの反応見て、相手がどんな人なのかも分かる。リトマス紙のような役目も果たしてくれるね。」
「セルフ・モニタリングは忘れない」
澤内さんの周りでは、広く地理に関わるような“遊(あそ)ビジネス”が、どんどん生まれている。ビジネスをものしようと、うんうんと唸っている身には何とも羨ましい話。
「ともかく“楽しい”を中心に置いている。そうすると面白そうだと思って集まってくれる人が必ず出てくる。人脈って意識して作ったり広げたりするんじゃなくて、つながっていくもの。市場を創るって、結局楽しい機会を生み出す事。」
「一つ忘れてはいけないことは、セルフ・モニタリング。自分だけ楽しんでいたら、それは単なる自己満足。周りにいる人も本当に楽しんでくれているのか、それを自分がちゃんと見ているのか、ここはしっかり意識しておかないとね。」
「ライブでなければ意味がない!」
元々先生だったので、後進の育成なども意識されているのだろうか?
「後進の指導なんてことは考えてないよ。地理ってライブでなければ意味ないから。あえて言うなら一緒にそこにいてもらって、真似したいことがあったら真似してね、ってことかなぁ」
「死ぬまで食えるビジネスをいつも考えている。80歳になっても、90歳になっても、ベッドに横たわりながらもできる“遊(あそ)ビジネス”をね」
そう、澤内さんは地理の魅力を体現されながら、生涯「現場(ライブ)」で活きることを実践されているのだ。
<お話をお伺いして>
澤内さんのことを私は”澤てぃさん”といつも呼んでいます。勿論、元教師の“ティーチャー”の“てぃ”なのですが、私のおやじギャグの師匠の一人でもあり、色々なことや機会を与えてくださる、まさに先生だからです。
今回、改まって「インタビュー」という機会で、気づかされたことがあります。それは「本業を深める」ことで生まれる楽しさ。自分の仕事のどこかを好きになって、そこをとことん突き詰めていく。やがて、周りの世界がどんどん広がり、色どり豊かな人生につながっていくんだなぁと。
教員時代。澤てぃさんの活動ぶりに眉を顰める人や、パッシングも結構あったと。「でもね、生徒や親が面白がってくれて味方になってくれたから」と、話されていたのも、とても印象的でした。
ご家族はそんな澤てぃさんのこと、どう思っているのかと、お尋ねしたところ、
「全く無関心。むしろ巻き込まないでくれって言ってる。」
とのご回答。あら、それって寂しくないのだろうか?
「家族だって適度な距離感を保つ方がお互い楽しいよ。お互いがちょっと離れて見守ってるって感じかな。」
とっても余計な心配でした。家庭の話を、勝手に仮定しちゃいけませんね(^^;)
澤てぃさん、これからも印象うすい臼井ですが、“遊(あそ)ビジネス”の機会、色々ご一緒させてくださいね~。