2020年の始まりに台湾に行ってきました。
台湾は随分昔になりますが5年間ほど住んでいたことがあり、勝手に第二の故郷と呼んでいるほど大好きな土地です。
ここでのアートシーンと言えば、まずは台北故宮博物館。あまりに定番過ぎて、何を今さらという感じをお持ちの方もいるかもしれませんが、訪問のたびに新しい発見があります。
今回は、「魅せる」展示に感心至極。
「白菜」《翠玉白菜》や「お肉」《肉形石》ですと、まずは観ておこうかとなりますが(ちなみに今回は故宮南院に”出張中”で不在でした)、焼き物や書画とかになると、よほど好きな方でないと、ついついパスしてしまいそうな感じかなと。ところが、「なるほどこれは面白い」となる工夫が!
例えば書画の映像。一つ一つの文字が画面いっぱいに筆で書かれていく様子を美しくビジュアルで見せてくれたり、水墨画の中を自分が自在に飛びまわっているような俯瞰で見れるようにしたりと、それぞれの作品の魅力がまさに体感できるような仕掛けが随所にありました。一度「へ~ぇ♪」となれば、後は通常の展示も楽しく想像が膨らむというものです。
良い作品があるので、後はどうぞご覧ください…という姿勢ではなく、色々な魅せ方にトライしているのが、凄く良いなぁと思いました。
歴史ある文化、文物を次代につないでいくのは今を生きる我々の務めかなぁと思いますが、その時代に適した伝え方があるものなのだと納得。鑑賞者と作品における、コンテンポラリーな(≒現代としての)やり取りがデザインされているなぁと。素敵♪