第2回にご登場いただくのは、45歳で事務機器メーカーを退社され、“「ほっと」できるアナログライフのご提案”をする、ズートコミュニケーションを立ち上げた万木(ゆるぎ)さんです。流行りのメーカーズのお一人と思いきや、起業の裏にある想いとは…。
Age100.ing People File No.2
ズート コミュニケーション 代表 万木康史
「アナログで人の心を癒したい!」
「人って元々アナログじゃないですか。デジタルな時代の中で結構すり減らして生きている人、多いと思うんです」
万木(ゆるぎ)さんが、会社を辞めようと思ったきっかけ。それは心を病んだ同期の自殺というショッキングな出来事だった。
「何か自分にできたことあったんじゃないかと、ずっと気になってました。そんな時、今度は近しい友人が鬱病になったんです。今回こそはきっちり寄り添おう、そう決めたんです」
自宅にその友人を呼んで、趣味のアナログレコードを何気に聴いてもらった。
「表情がね、すっと和らいだんです。“いい音楽だね”って言ってくれて」
「知ったかぶりはすぐにアウト」
万木さんと待ち合わせしたのは神保町にあるJAZZ喫茶。店主のマスターとは起業前からの長い付き合いだそうだ。隠れ家的な雰囲気の中でゆっくりと流れる音楽。門外漢で初訪問の私も、心が落ち着いてくる。
「別に趣味を活かして仕事にしようとしたわけではないんです。私なんかより詳しい人は本当に沢山いますし、知ったかぶりをした時点でアウトなんです」
ANALOG RELAXのブランド名で既に3商品をリリースされているが、全て紹介で出会った人とのご縁から企画が具体化したものとのこと。
「お客様から助けていただいているというか、つながりを広げてもらっていますね」
「コミュニケーションって本来は暖かい」
屋号のズートコミュニケーション。JAZZファンだとわかる由来だそうだ。
「Zoot Simsというテナーサックスの奏者がいるんですけどね。本当に大好きで、ファンクラブまで自分で発足させちゃいました」
起業すると決めた時、Zootの名前は絶対いれたかったと。もう一つ込めたのは、お客様と”ずーっとコミュニケーション”とりたいとの想い。
「最初の商品を出して間もなく、便せんに4枚びっしりと書かれたお礼状を70代の方にいただいた時は、本当に嬉しかったです」
「違う事やるからこそリスクも低い」
商品の紹介をしてくださる時の万木さんは、我が子のことを語るかごとくの愛情あふれる様子だ。
「大企業が絶対やらないこと、違う事をやっているという楽しみはありますね。こんなに手間暇かけても本当に小さい市場ですし」
企業人として長く商品企画を担当していたからこその、市場を見極めた戦略もしっかりお持ちだ。
「いえいえ、そんなことはないですよ。ただ、ちゃんとやる、きちんとやるといったことは、会社の中で随分鍛えられて、身についているなと思います」
「でも今の時代、一つの企業で働き続けるというのはリスクが大きいのでは。65歳になってから食い扶持を新たに探すというのは辛いでしょう。“違うステージ”に早くから上がっておくということが大事だと思うんですね」
「将来は、都会から離れて暮らしたいです。アナログで人の心を癒すこと、音楽以外のことでもやってみたいですね」
<訪問雑感>
「この後、打合せ兼忘年会なんですよ」
万木さんのお仲間のお顔が見たくて居残りさせていただいたところ、これまた素敵なお二人が登場されました。
「(万木さんからは)挑戦オーラでまくりだから、近くにいると感化されちゃうよね」とのコメントでしたが、お二人とも既に「人生の第二創業」進行形のご様子。
アナログは癒しだけでなくチャレンジ意欲をかきたてる効果もありますね、間違いなく。
次回は、ちゃんとZoot Sims聴いてからお伺いします(汗)
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