【Pepole】Age100.ingな人たち File3 「一緒にやる人 隣をみたら居た!」

人生100歳時代に、道の途中で新しいチャレンジをされて、人生を豊かに過ごされている先人(達人)の皆様を、突撃訪問! その真髄やいかに?

お待たせしました(^^) 第3回にご登場いただくのは、大手IT機器メーカーを早期退職されて、アートマネジメントオフィス アホイ!を起業された、塚田信郎さんです。現代アートを支えたいという想いを事業化しようと決めた時、共同パートナーとして塚田さんが選んだ方は…? とっても羨ましいお話をぜひ♪

 

Age100.ing People file No.3

アートマネジメントオフィス アホイ! 代表 塚田信郎

「一緒にやる人 隣をみたら居た!」

「30年経って気づいたんですよね。サラリーマンには向いていなかったって。だったら一番興味あるものをやってみようと」

塚田さんは、美大を受験しようと思ったことはあったものの実際には専門教育を受けたことは無く、仕事で芸術祭に携わったことがきっかっけで、深く関わるようになったそう。新しい人生のチャレンジを考えた時、現代アートを支える会社を興そうと思ったのは、自分の中ではとても自然なことだったという。

「一緒にやる人、誰かいないかなぁって思ったとき、隣をみたら居たんですよね」

そう、塚田さんはご夫妻で一緒に起業されたのだ。起業に当たって、家族の賛成を得るのに悩んだり苦労する人も多いのになんと奥様が共同創業者に!

奥様のあずきさん、経緯はどうだったのでしょう?

「会社を辞めることはOKだったんです。でも“一緒にやろう!”には正直びっくりしました。ただ、何かやるかやらないか決断する場面になったら、やってみることにしようって思ってるので、あぁ、今がその時なのかなぁって」

あずきさんは、いわゆる「典型的な専業主婦」だったそうだ。三人の子育てが一段落した時点で、一念発起してバイクの免許をとったのが「やってみたら面白い」の最初の経験に。

「旦那がバイクにうつつを抜かしているのが我慢ならない時期があったので、意趣返しのつもりもあった」

と笑って話されていた。

「オンとオフの切り替えが難しい」

ご夫妻で共に歳を重ねながら一緒に事業を進めていく。とても羨ましい生き方だなと思いつつ、苦労もあるのではと、余計な水を向けてみる。

「男性はオンとオフの切り替えが簡単にできるものなんだなぁと思います。わたしは家事もこなしながら、電話一本で急に仕事モードになってお客様対応できるかというと、最初は本当に難しかったです」(あずきさん)

「会社員って仕事してる時の自分を、家族に見せてこなかったじゃやないですか。だから仕事モードに切り替わった時の自分とペースがなかなか合わなくて困りました。今では彼女の方がよほどしっかりと交渉してくれたりしますけどね」(信郎さん)

そんなお二人。会社のお話をされる時は一様に「熱い」のが印象的。

シンポジウム 「まちにアートをインストールすると起きること 〜様々な視点から〜」 *写真提供 アートマネジメントオフィス アホイ!

「わくわく届けたい」

「アートって、美術館に観に行くというイメージだと思いますけど、現代アートは、作家だけでは無く様々な人達と共同作業で製作するものや、ただ鑑賞するだけでは無く、参加型の作品が増えています。わくわくするもの、面白いものやことを共有するというのが、現代アートなんだと思います」(信郎さん)

「自分の知らない世界に出会って、いいね! って、言えちゃう経験を沢山して欲しいですね」(あずきさん)

地元八千代市で、第一線で活躍する方々を集めてシンポジウムを開催した際に「アートってよく分からないから」と遠巻きにしていた人たちが、食いついてきてくれた時、また「茨城県北芸術祭」に参画した折に、苦労して作った作品に触れたお客様の表情がぱっと変わったのを見た時、お二人は手ごたえを実感したそう。

「現代アートは実はどんなものを創ろうかと、準備をしているところから始まってるんですよね。そのプロセスから様々な人達が参画して楽しめるというのが、現代アートの魅力ですが、そこをどうやって伝えるかはなかなか難しいです」(信郎さん)

「作家の方も作品を創ることには物凄く情熱を傾けるんですが、色々な人を巻き込みながらアートの魅力を伝えるということに関しては、なかなか時間も気持ちも割けないので、そこに私たちがいる意味があると思っているんです」(あずきさん)

茨城県北芸術祭2016  ザドック・ベン=デイヴィッド 製作風景 赤いシャツがあずきさん *写真提供 アートマネジメントオフィス アホイ!

 

<訪問雑感>

夫婦そろって同じチャレンジの道を歩んでいるというお二人のお話を聴いていると、単純に仲睦まじいという表現を越えて、こんなことも人生の選択肢として具体化できるんだという「リアルな力」を感じ、ついつい感心するばかりでした。

アートの持つ力に関しては、個人的にも「広めたい派」の一人として自認しているので、今後、塚田さんご夫妻とも、色々とご一緒できないものかと、妄想を膨らませています。

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