【ブログ】ビジネスに効く?アートな話① 「印象派に見るイノベーションの極意Ⅰ」

最近いただくビジネスパーソンの名刺に「イノベーション〇〇」という部門名をよくみかけるようになりました。以前なら、「新規事業企画」とか「事業戦略推進」といったネーミングだったかもしれません。どうやらイノベーションは、日本企業にとっては、昨今避けて通れない話題のようです。しかしながら、「さぁ、我が社もイノベーションを起そう!」と、部門を立ち上げたからといって、そう簡単に事は進みません。アートの世界に、参考になりそうな事例はないでしょうか。


印象派の起したイノベーションとは?

絵画の世界での「イノベーション」の代表例と言えば印象派。日本での人気も、大変なものです。モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌといった印象派の画家たちの作品が並ぶ展覧会は、毎回長蛇の列です。日本に限らず、例えばパリのオルセー美術館など、印象派の殿堂と呼ばれる美術館は、観光名所としても世界に名を轟かせていて、美術ファンならずとも「行っておかなければならない場所」になっています。では、印象派の起した「イノベーション」とはどんなものだったのかを、みていきましょう。

 

1874年、パリで開かれた「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社」の展覧会(のちにいう第1回印象派展)が、印象派の始まりです。この展覧会が、当時の美術界、あるいは広く一般世間に投げかけた衝撃は、例えるなら、スティーブジョブズがiPhoneを世に初めてプレゼンしたぐらい、あるいはそれ以上のものだったかもしれません。展示されていた作品が、当時の「常識」とは、ことごとく異なるものだったからです。

 

それまでの絵画の主題(題材、モチーフ)は、神話や宗教に関するものがほとんど。鑑賞者に荘厳なテーマを想起させるようなものこそが、描くに相応しいものでした。描き方も、輪郭線がはっきりとしていて、筆の跡が残ることのないよう、綺麗に塗られていることが「常識」とされていました。何より、画家として当時身をなそうとするのであれば、王立アカデミー(国立の美術学校のようなもの)で学び、サロン(官展=国が主宰する展覧会)に入選することが一番の道。その道を歩むには、この「常識」をなぞるのが必須条件だった時代です。

 

ところが、印象派の画家たちが主題にしたのは日常のありふれた光景。しかも、絵の具を混ぜることなく、原色のままキャンパスに置いていく、筆跡(タッチ)が明らかに残る描き方(筆触分割と美術用語では言います)。何を描いているのか、一目ではわからないような作品だったのです。こうした、当時の常識では考えられない作品を、モネ達は、サロンとは別に独自の展覧会を開いて、世の中に示したのでした。

 

当時著名な批評家だった、ルイ・ルロワが、この展覧会を訪れ、くだんのモネの《印象、日の出》をさして、「印象しか描いていない。壁紙の方がまだ仕上がりが良いくらいだ。」と揶揄したことがきっかけで、後に印象派と呼ばれるようになったことも、逆に、印象派の画家たちの「イノベーター」ぶりを物語るエピソードです。

 

こうしてみると、アートの世界も、イノベーションは、一部の天才たちにより引き起こされるように思えますが、もう少し、印象派の背景を観ていくと、違った様子も見えてきます。

続きは「ビジネスに効く?アートな話②」をどうぞ。

【お知らせ】開催レポートがアップされています(アートフルライフ・デザインコース)

すっかりお知らせを忘れていました…。

昨年実施した「丸の内プラチナ大学 アートフルライフ・デザインコース」の開催レポートを、エコッツエリア協会さんのHPに挙げていただいてます。

コースの内容や雰囲気などを、プロのライターさんに記事にしていただいてますので、ぜひご一読ください。

【レポート】常識を外す、常識を広げるアートシンキング

今期(2019年)も、「アートフルライフ・デザインコース」は開講の予定です。企画が確定しだい、またご案内いたします。どうぞ、ご期待ください。

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アートも学ばなければいけませんかね?

アートは、これまでビジネスパーソンが真剣に「学ぶ・学びたい」対象にはなっていませんでしたが、この数年で様子が大きく変化してきているようです。

AI(人工知能)時代の「教育」はSTEM(S=Science科学,T=Technology技術,E=Engineering工学,M=Mathmateics数学)に加え、A=Art(美術)を含めたSTEAMが重要という議論が出てきたり、ユニコーン(巨大ベンチャー)企業の代表であるAirbnbの創業チームのアーティスト出身者が話題になったり、アートがビジネスパーソンの気になるトピックスになってきました。

ビジネス街の大型書店では、目立つところにアートに関わる書籍が並ぶようになりました。ざっと見渡しただけでも…

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 』山口周 著
『西洋美術史 世界のビジネスエリートが身につける教養』木村泰司 著
『世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること』ニール・ヒンディ著
『ビジネスの限界はアートで超えろ!』植村岳史 著
『なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?』岡崎大輔 著

「ビジネス・エリートを目指すなら、アートは学んでよね!」と言わんがばかりです。ちなみに、ビジネス・エリートってどんな人なのか、個人的にとても関心があるのですか、それはさておき、アートは今やビジネス本の中でも「(そこそこ)売れる」と出版社が思うテーマになっていることは間違いないようです。

私は、ここで挙げた著作に全て目を通しました。…と、プチ自慢をしたいわけでも、ダイジェストしたいわけでもありませんので、ご安心?ください。
元々アート好きな私としては、とても楽しく読ませていただいたのですが、もし、これまでアートに興味や関心のなかった方が、こうした本に影響を受けて、「ビジネスに役立てたい」の一心からアートを学ぼうとすると、相当に窮屈な想い(≒退屈、苦痛)になるのではないかと思い始めたしだいです。

 

実は、私もアートはビジネスに役立つ! と本気で思っているのですが、「じゃあどう役立つの?」と質問されて説明を重ねるほど、自分が感じている「お役立ち感」から遠のく気がするのです。
「それはあなたの説明力の足りなさでしょう」…というご指摘には100%以上同意なのですが、それでも、定量的には勿論、定性的であれ文章等で伝えることは難しい。アートの魅力や可能性は、各人が体感するしかないのかなと。他人様からの説明を頭で「理解」するだけではく、色々な機会や場で五感で感じながら、何かの拍子に「ああ、そういうことか」と自分なりにアートの「お役立ち感」がわいてくる。教えてもらう学びではなくて、自らが気づき身に着けていくような学びとでも言えばよいでしょうか…うーん、やっぱりうまく言葉にできてないですね。ごめんなさい。

だからこそ、混んだ美術館で有名作品をチラ見するとか、美術史を必死に覚えるとかだけではなく、アートと自分がこってりと「触れ合う」ことが、とても大切です。いわゆる心の琴線に触れるような経験を(ネガティブに反応しちゃうような経験も含めて)重ねることこそ、アートの「学び」スタイルだと強く思います。

 

本気でSDGsに取り組みたい「組織」の人向け ビジネスラボがスタート

 


弊社は、「美しいビジネス」(心が前向きになる商品やサービス)を生み出す人が世の中に増えることを応援しています。
SDGsに注目しているのもその一つ。今回、SDGsに本気で取り組みたい「組織」の人向けのSDGsビジネス・ラボのサポートをすることになりました。

一般社団法人 ソーシャルビジネス・ネットワーク主催。ラボ長に、CSR/SDG コンサルタント、株式会社 伊藤園 顧問である笹谷氏をお迎えして、いよいよ12月18日よりスタートとなります。

勉強会にとどまることなく、特に「ビジネス化」(≒ビジネスにつなげる)を目標に、アクションを実際にしていく「場」として、活用いただけたらと思います。

詳細及び申込みは下記から。
2回目以降からの参加も歓迎ですので、ご関心のある方はぜひ!

SDGsビジネス・ラボ

【お知らせ】アートシンキングVol3を開催しました♪

今年7月から始めた、現場で使うアートシンキング! の全3回シリーズ。
先日9月21日にVol3「Detail」の最終回を実施しました♪

今回は、自分のVisionをいかに伝えるかということで、”テイストオブジェ”を作成いただきました。 え? ”テイストオブジェ”?

勿論これは造語ですが、自身のVisionが実現している世界感や、そこで見られるシーンを、アートでいうところのコラージュ作品で仕上げているというもの。
(冒頭の写真は、参加者皆様が作成した自身の”テイストオブジェ”との記念写真!)

「創作意欲を刺激されて楽しかった」

「アートって面白い」

「初めて参加して新しい視点を見つけるきっかけになった気がします」

「ビジネスにおいて、ARTがとても重要なんだと思いました」

アンケートには嬉しいコメントが続々でした。

…とうことで続々編の開催を早速に検討開始します(^^)

【お知らせ】美術検定のHPに体験記を掲載いただきました

昨年度から、「アート×ビジネス」の視点をビジネスパーソンに知っていだたくことを、弊社の事業テーマの一つとしています。

ということで、アートを語るには、ちゃんと基礎知識を学んでおかねばと、美術検定1級合格を目指して(自分としては)猛勉したところ、昨年末に1級=アートナビゲーターとして合格(認定)されました。

その経験談と自分の目指している方向感を、この度、美術検定のHPに掲載いただきましたので、ぜひぜひご覧ください。

尚、今年の試験は11月11日に実施(申し込みは10月4日まで)だそうです。
ビジネスパーソンの新しい「武器」になる予感(^^)

美術検定の合格体験記はこちらから

【シニア・プレシニア起業】企画書は書き出す前にほとんど勝負は決まっている?

「企画書」で頭を悩ませている方が多いのではないかと思います。

・どうやったら(恐らくは頭の堅い)上司を口説ける「企画書」がかけるのか?

・クライアントに一発でOKと呼ばれる「企画書」はどうやって仕上げるか?

・VCが放っておかないパンチの効いた「企画書」にどう見せる(魅せるか)?

 

そこで、“良い企画書”を作成するために、皆さん時間と労力と知恵と場合によっては勇気も使う事になるわけですが、労多くして見返り(≒企画が通る)薄いのが現状ではないでしょうか?

私も、自分の「企画書作成能力」の低さを、何度も(アイデアレベルのものまでいれたら、それこそ人生で100本×30年としても3000回ぐらいか?)痛感していますが、今もって「通る企画書」の書き方がよく分かりません。

 

そんな私が、最近分かったことがあります。それは企画書は出来上がってからではなく、書く前に既に勝負がほとんどついているということです。言い換えると、

企画(書)を検討しているということは、まだやる気が関係者に無いということ

なのです。

 

つまりこういうことです。

企画(書)を通すという事は、アイデアを誰かが実行に移すという段階に入ることを意味するわけです。誰かが既に始めている事を書いたものは、「企画書」ではなくレポ―トというべきですね。関係者が既にやることを決めていることは、それは「企画書」ではなく「行動計画」とか「スケジュール(目標)」とか言われるわけです。つまり、企画(書)を検討している段階は、まだ関係者は何も決めてないし、様子見なのです。

「だから、良い企画書を書いて関係者を口説くんでしょ!」

はい、それはお説ごもっともなのですが、実際は企画書を見せてる段階で、大抵の相手は自分の態度が決められない、あるいは決めたくない状況にあると理解した方が良いのです。なぜなら、通す条件というのが相手に明確にない時にこそ。「企画書」が要求されるからです。何かやりたい意志(意図)がある人は、企画書によって動かされるわけではなく、自分のアイデアに相手がどう関われるのかだけを見極めているわけだから、丁寧な企画書は必要なし。やる気がない人は、断る(今は判断できない…も同じ)理由を探しているのだから、精緻な企画書ほど「突っ込みどころ」満載で嬉しい。

 

という事で、つまり

企画書はザクッと書いて、「この先聴きたいですか?」程度にとどめる

のがよろしいのかと。

もし、会社の中で、企画書のフォーマットが精緻に決まっていたり、企画書の決済ルートが複雑だったりしたら…悪いことは言いません。あなたがその企画を本当に実現したいなら、”良い企画書”の作成に時間をかけるのではなく、すぐにこっそり始めましょう。

【お知らせ】事業開発アーティスト『青黒塾』開講しました!

日経BPさんとの協働企画、事業開発アーティスト『青黒塾』が開講しました!

(7月25日 第1回,8月1日 第2回)

 

事業あるいは商品開発に企業内で取り組んでいる、熱き8名の方々と一緒に、これから10月まで、青い志を育み、黒いロジックを鍛えていく時間を過ごします。

…突然、折り紙細工をしたかと思うと、次の場面では社会課題に対して真剣に向き合う実践者と語らうなど、もう、”理路整然”としていない「進行(プログラム)」に、皆様面喰っているかと思いましたら、強者(つわもの)ばかりで、最初からノリノリでスタートしています。


これから、どんな化学反応が起きていくのか、今からとても楽しみです!

青黒塾の詳細はこちらから

 

 

【お知らせ】いよいよ 事業開発アーティスト『青黒塾』 が開講します!

日経BP社さんとご一緒しての『青黒塾』が、いよいよ今週(7月25日)より開講します!

青い志を大きく育み、腹黒い利益計算もしっかり身につけ、「青黒く」自分も社会も前向きになるビジネスを創ろう! という壮大な構想の第一歩?です。

とんでもないネーミングで、開催も危ぶまれる企画でしたが、一期生も「少数精鋭」で集まり、これから10月まで、濃密な時間を共にしていきます。

志事創業社のWebからも、その熱い様子を、今後チラ見せしていきますので、ご期待ください。

『青黒塾』の詳細はこちらから