【お知らせ】塾生募集中! ~今期の青黒塾、いよいよ来月開講です!

新規事業開発に悩める企業人の、青い志を磨き、黒い振る舞いを鍛える、青黒塾。

昨年の「好評」を受け、今年も日経BP総研さんとご一緒に開催することとなりました。

「まず、楽しんで取り組むこと、ロジックから入らないことが重要! 1期生として参加できてよかったです。」
「自分には黒い部分まったくと言っていいほどなかったので、青黒塾で少しでも取り入れることができたのではないかと思っています。」
「社外に飛び出るような新規事業、寝食を忘れるようなアイデアを持ちたいと思ったのが受講動機。受講してやる気スイッチが入った。」
*昨年の第一期の受講生のコメントより

「塾」という形態ですので、実際に五感を活用するワークの時間も多く、また、”多彩”なゲストとの交流会も大事なプログラムの一つとして組み込まれています(受講料に含む)

アーティストのセンスで新規事業を始めてみたい、これまでのアプローチではどうもうまく行かない、社外に「頼りになる」ネットワークを作りたい、ちょっとした差のつくビジネスパーソンになりたい…といった方々には、ぜひチャレンジしていただきたいと思っています。所属の会社、組織を口説いて、ぜひぜひ申込みされてください。…え? 口説き方が分からない? そんな方は、思い切って「自腹」で飛び込んでみてください。お釣りの出る時間になっていくと思います。

詳細及び申し込みはこちらから

 

【開催レポート】《事業創造アイデアソン・フォーラム》でアートシンキングについてお話しました

6月19日にABC協会さん主催の《事業創造アイデアソン・フォーラム》で、アートシンキングに関してお話させていただきました。

・アートシンキングとは
・なぜ、事業創造の場でアートシンキングが必要になってきたのか
・アートセンスはスキルとして磨ける

といった点を中心に、簡単なワークも取りまぜて共有しました。

参加者皆様、非常に熱心で、やり取りも多く、あっという間の時間でした。
終了後の感想として、
「アートが事業創造に役立つのではと思っていた自分の直感に自信が持てた」
「意外に取り組みやすい(自分でもできる)考え方だと感じた」
といった前向きなコメントいただき、ほっと一安心。
美しいビジネス創出仲間が、また増えた感じで、何よりでした。

【ブログ】「描く」ことの大切さを知り、試したくなる本 三冊 

今一つなブログタイトルですが(苦笑)、ともかく「描く」ということの素晴らしさを教えてもらった”書籍”を、ぜひぜひ紹介したくなったので…。


『アンジュール ある犬の物語』ガブリエル・バンサン

鉛筆で描かれた犬の物語。一切の文字もなく、色も黒一色。
しかし、その表現の深みと、受ける印象の強さたるや…。

「あぁ、読んだことあるよ」という方も多いだろう有名な絵本ですが、本屋さんで久しぶりに再会して、あまりの”美しさ”に鳥肌が立ちました。
”余白”もこれほど雄弁になれるなんて…。


『ブルーピリオド』 山口つばさ

コミック誌に連載中の漫画を「好みの作品だと思いますよ」とご紹介いただき、読んでみたら、これが凄く面白い! ある意味、初心者向けの美術、特に絵画制作の手引きといった面持ですが、主人公とともに一緒に考えたり悩んだりしながらのドリルとしても十分に活用できそう。美大を目指す受験生の気分を味わえます(1巻~4巻までのところ)

『直感と論理をつなぐ思考法』 佐宗邦威

ブームになりつつある、”ビジネスマンもアートを学ぼう”系の解説本かなぁと思ったら(帯文を作った編集者はその意図ありそうですがw)、どうやって鍛えるかの方法を具体的に示してくれている、実践したい人のための書籍。これはいいですね。

えっと、まとめますと、知識は頭の中にある間は、何の役にもたたないということで、実行あるのみ。「描くこと」が大事そうと思ったら、自分でまずは試してみようと。そこから見えてくる景色は、随分と面白いもの、自分のものになってきます。そして他人と語り合えるようになってくる。
崇高なビジョンだって、人様に触れてもらえる形として「描く」ことをしなければ、実現はもとより、磨かれることがないのと同じですね。

はい、私も最近、かなぁり手を動かしながら、頭の中を文字に限らず表すようにしています。その効果は…まだまだ未知数…いえいえ、”余白十分”かと。

 

 

 

【ブログ】アートは桜に勝てない? ~ブランディングの本質(六本木にて)

春の六本木、ミッドタウンを歩いていると、目を引くサインボードが!

ストリートミュージアム』!
“2018年度アートコンペ受賞作家6名が本展覧会のために制作した、インスタレーションや彫刻などの最新作がプラザB1に登場します。
今注目の若手作家の才能と個性あふれる作品をぜひお楽しみください”(ホームページより抜粋)

これがなかなかに素敵な作品が多く、公共の場所でこんな鑑賞ができるなんて、さすが六本木はお洒落だわぁ~と。

そこで鑑賞すること数十分…で、気づきました。
「あれ? ほとんどどなたも、気にとめていないんじゃない??」

平日、昼間の時間帯で、行きかう人が多いというほどでもなかったのですが、(だからこそ?) もっと多くの人が立ち止まって作品を楽しむのかなぁと思えば、ほとんどの方が目もくれず素通り。

こんなに「美しい」「面白い」のに、勿体ないような気も。まぁ、私のような都心おのぼりさんには物珍しくとも、都会の方々には、日常に溶け込んでいることで関心がわかないのだろうとも推察。

ところが、地下通路から地上にでるとこんな光景が。

そうです、桜です。
こちらは、もうひっきりなしに皆さま立ち止まっての写真撮影!
その注目度たるもの、まったく異なります。

「アートが桜に勝てない(≒注目度で差がつく)理由は何だろう…??」と、考えての自分なりの勝手な結論が「ブランディング」。

今回の”(ストリート)アート”と”桜”の違いを考えると、「自然と人工」「香りとか風とか、五感に感じる部分」「屋外と屋内(鑑賞環境)」…とか、色々と浮かんできましたが、それらはたいしたことではないのかなと。
「見えないものがどれだけ見えてくるかどうか」
の差が一番大きいのではないかと。これこそが「ブランディング」なのかなと。

 

”桜”にはみなさんこれまでの人生における経験値の量が半端じゃないんです。春の時期での様々な思い出が、”桜”に連動しているとでも言えばよいでしょうか。さらには、古典文学から流行の歌などを代表に、これまで”桜”に関する情報を取り込んできており(≒刷り込まれており)、日本人なら”桜”に、何らかのイメージ(好悪限らず)を必ずのようにお持ちです。
な、の、で、”桜”には抗えないブランディング効果(認知していて、自分のなかで何らかの意味付けがされている状態)が備わっているわけですね。通りすがりにちょっと出会った「アート」から想起されるものとは、圧倒的にインパクト(反応)が異なるわけです。

ということで、アートに限らず、新規「ブランド」を立ちげる時には、UX(ユーザーエクスペリエンス)体験をいかに素晴らしくデザインしようとも、すでに確固たるポジションをとっている競合(強豪)ブランドの時間と経験の累積効果(≒歴史、文化)に対して真っ向勝負はかなりきついという教訓?が得られるわけです。
むしろ、相乗り<*注記>のほうがお得感が、ありそうですね。
*好意的に受け止めても、真逆を提示しても、いずれにせよ既存ブランドのイメージを”利用”する

”相乗り”オブジェの例 …いわゆる「見立て」(同じく六本木にて)

と、小難しい話にしてしまいましたが、六本木の散策がめちゃくちゃ楽しかったというのが、一番お伝えしたかったところ。
あ、これぞまさにエリアの「ブランディング」効果かも(^^)

【開催レポート】『アートのセンスで事業を磨く』が起業のヒントに!

3月3日から始まった連続講座、『アートのセンスで事業を磨く』が、先週末(3月31日)で全4回の日程を終了しました。

本講座は、東京都の起業家支援施設であるスタートアップハブ東京(略称 スタハ)との協働で、起業を志している方、起業家になりたての方に、「アートの視点」から自身の事業プランを練り直してもらおうという狙いで実施したものです。

通常の起業塾ではビジネスモデルや、利益計画など、主にロジック面で事業プランのブラッシュアップをしていきますが、今回は、感性や感覚といった面に焦点をおき、想定されるお客様が、起業家と同じ世界感を共有できるかに重きを置きました。

Day1では、まだまだ堅い雰囲気の受講生皆様でしたが、回を進めるほどに、感性が呼び覚まされてきたのか、柔軟な思考でご自身の事業と向きあうことができたようです。最終日に持ち寄ってくれた事業を表す「作品」と「ストーリー紹介」には、とても心動かされました。

<受講生のコメントより(抜粋)>
・「まずは具体的に考えてアウトプットし、フィードバックをもらう」という意味でとても充実した時間を過ごさせていただきました。 また、宿題をやる過程で、メンバーで内省をし、「自分たちが本当にやりたいと思えること・心震えること」を見つめなおすことができました。
・4日間新たな発見があり参加してとても良かったです。
楽しく、1ヶ月過ごすことができ、感謝しています!  BE目標を明確にし、起業活動に取り組んでいきたいと思います。
・早速みなさんから、 商品化に向ける為情報をいただいているんです。 次から次へと、わからないことばかりですが、面白さしかないです!

自分自身への深い内省から生まれてきた事業アイデアには、必ず世の中に”共感”してくれる人がいる。その誰かに届き響くように、いかに具体的な形(伝え方を含む)を作るかが、事業の骨格をなすと、今回の講座を通じて、私自身も再認識できました。

”美しいビジネス”の創造には、「アートの視点」は、絶対に欠かせないと確信を深めたしだいです。


今回の講座開催に尽力いただいた皆様に、本当に感謝です。
ありがとうございました!
次回の機会、必ず作ります。

 

【お知らせ】連続講座『アートのセンスで事業を磨く』開講しました♪

スタートアップハブ東京(略称STH 又は スタハ)で、ひな祭りでもあり東京マラソンの開催日でもあった昨日3月3日、いよいよ『アートのセンスで事業を磨く』の連続講座が始まりました♪

定員を大きく越える申込みがあり、受講できない方も多く出てしまったことは申し訳なかったのですが、沢山の関心をいただけたこと、ありがとうございます。

スタート時点では、少し緊張の面持ちの参加者(私も?)でしたが、様々なワークなどを通じて、自分の“感性”と向き合っていくうちに、ご自身の起業を志した熱い部分を感じ直してもらった様子でした。

さて、本講座の最終日(3月31日)は、デモデイとして一般公開(観覧)が無償でできます。参加メンバーによる、「事業作品」をぜひご覧にきてくださればと思います。アートのセンスで事業を磨くとどんな感じになるのか、体験された方々から直接お聞きできる機会となりますので、ご関心お持ちの方はぜひ! ゲスト講評者も「楽しみな方々」に来場いただく予定です。

デモデイ(3/31)の案内はこちらから

【ブログ】ビジネスに効く?アートな話③ 「印象派に見るイノベーションの極意Ⅲ」

絵画の世界で有名なイノベーションの一つと言えば「印象派」。一部の天才たちにより引き起こされたようにも思えますが、印象派の背景をもう少し見ていくと、彼ら彼女らは、単に時計の針を早く進めたことが分かります。
(ここまでの内容は、ビジネスに効く?アートな話① & ビジネスに効く?アートな話② をご覧ください)

ビジネスパーソンが最も知りたいことは、この時計の針を早く進めることかもしれません。そこで、印象派の様子を、マーケティング理論ではお馴染みの「PEST」になぞらえて勝手に考察してみました。

 

これまでの指標に当てはまらないのがイノベーション

勿論、印象派の例を従来の「PEST」にあてはめてみても実はあまり意味がありません。そこでイノベーターを分析をする新しい「PEST」を考えてみました。

P=People(人)

企業でイノベーションを起そうと思い立ったら、「変人(異端な人)」を集めて、チームにしてしまうことから始めましょう。それも既存組織上の部門にするより、「イノベーション派」として名乗らせた方が、より効果的かもしれません。

企業内でMBAホルダーがもてはやされた後、「変わった人」「使いにくい人」としてフェードアウトしていった例がありますが、これは既存部門に配置したがための当然の帰結です。普通の人の集団に、イノベーターを天才として認識させることはほぼ不可能です。それより、何だかわからない連中として目立たせた方が、その存在を認めさせる可能性は、何倍も高まります。「印象派」として集団として目立ったからこそ、その存在が世間で広く認知されたのと同じことです。

 

E=Emotion(感情)

事業トップがこれはと思うメンバー、”次代のエース”を選抜してイノベーション推進を任せるというケースが多いと思いますが、これは止めた方が良いかもしれません。

印象派の画家たちの中に、王立アカデミーから指示を受け、「異端」の作品を描いた者は一人もいません。「今のやり方、進め方に飽きたらない」という想いを持った個人が、勝手に動けるような形にする方が、強い推進力を生むのではないでしょうか。

 

S=Safety(安全)

これも非常に大切です。イノベーターと呼ばれる人たちの、普通の人にはわけの分からない行動は、単に咎められない(ペナルティを与えられない)だけでなく、むしろ思う存分やらせてあげる環境を整えることが重要です。

印象派の画家たちは、何となく貧乏なイメージが浮かんでくるのですが、実はブルジュア、お金持ちの子息が多いのです。だからこそ、革新にかける時間と心の余裕が持てたと言えるでしょう。明日の生活に困る状態で、長く「異端」を続けることは、かなり難しいことなのです。

 

T=Trial(実践)

イノベーションのアイデアは、企画書で判断してはいけません。いや、企画書を書いている暇があってはまずいくらいです。

「こんな作品を描こうと思っているのだが…」と、画家に長々と説明してもらっても、その画家の技量や感性を推し量ることはできません。実践を重ねることで、アイデアが形となって、周囲の人間の目に触れ、絶賛であれ酷評であれ、何らかのフィードバックを得ることで、イノベーションが進んでいくわけです。

 

《印象、日の出》は、全体にモヤモヤとした画面の中で、くっきりとした太陽のオレンジ色が、本当に鮮やかに輝いて見えます。

本当のイノベーションとは、取るに足らないように見える一つ一つの積み重ねがしだいに形となって生まれてくるもの。先行する「変わった人たち」が、その形を眩い光として感じ、示してくれることで、一般の人間が初めて認識し、心動かされるものなのではないでしょうか。100年前に興った印象派に、ビジネスパーソンが学ぶことは多いように感じます。

…と、勝手なうんちくを語るのも、美術の楽しみ方の一つかなと。

【ブログ】ビジネスに効く?アートな話② 「印象派に見るイノベーションの極意Ⅱ」

絵画の世界で有名なイノベーションの一つと言えば「印象派」。一部の天才たちにより引き起こされたようにも思えますが、印象派の背景をもう少し見ていくと違った様子も見えてきます。
(ここまでの内容は ビジネスに効く?アートな話①をご覧ください)

まず主題。印象派の出現まで、日常の光景を描いた画家たちが西洋にいなかったのかと言えば、そんなことはありません。第1回印象派展(1874年)のおよそ25年前に、ミレーという画家は農民の生活シーンを描いていましたし、クールベという画家も、1855年には自身をレアリスト(写実主義者)として名乗り、田舎町で市井の人の葬式を描いたりしています。印象派は主題の選び方で、決して先駆者であったわけではありません。

 

印象派の筆触分割という描き方も、確かに斬新なものでしたが、いくつかの要素が誕生していたからこそ実現できたと見ることもできます。1839年の写真の発明。これにより、本物そっくりという絵画の価値は下がっていくことになり、画家は、光や色といった新しい価値を見いだし、表現する必要がでてきました。1841年に発明されたチューブ入り絵の具によって、画家はそれまでの室内のアトリエではなく、戸外で絵画を完成させることができるようになり、明るい日の光を表現できるようになったのです。1843年にパリと郊外のルーアンが汽車で結ばれたことも、画家たちのフィールドを広げ、新しい画法を試す機会を与えたと言えるでしょう。

 

何より、印象派の誕生に一番大きかったのは、絵画を鑑賞する層が、これまでの王侯貴族から、新興ブルジュワジーや一般市民に広がってきたことです。絵画美術が大衆化し、これまでとは違うタイプの絵画が求められる土壌ができてきたという状況がなければ、印象派の画家たちが、短期間にこれほどの人気を博すことはなかったでしょう。

 

このような話を聴くと、マーケティングに見識のある方は、「PEST分析」を思い出すかもしれませんね。PEST分析とは、マーケティングの大家、フィリップコトラー氏が提唱した、「自社を取り巻くマクロ環境を以下の4つの視点から、現在及び将来にわたりどのような影響を与えるかを分析する手法」のことです。

この4つの視点の中で、何かが大きく欠けていたり、著しく未成熟だったりすると、どんなに良いアイデアであっても、実現して世間に受け入れられることは難しいということになります。天才がどんなに出現したところで、機が熟していなければ、イノベーションは起こらないという風に考えることもできます。確かに、印象派の画家たちは、時計の針を早めに進めたかもしれませんが、彼ら彼女らだけが、絵画の革新を推し進めたわけでないことだけは確かなのです。

印象派に学ぶべきイノベーションの本当のポイントは?

しかしながら、時計の針を早く進める方法こそ、ビジネスパーソンが実は最も知りたいことであり、学びたいことかもしれません。印象派の様子をさらに眺めていくと、これは参考になるかもと思う点がありました。新しい「PEST」です。

続きは「ビジネスに効く?アートな話③」をどうぞ

【ブログ】ビジネスに効く?アートな話① 「印象派に見るイノベーションの極意Ⅰ」

最近いただくビジネスパーソンの名刺に「イノベーション〇〇」という部門名をよくみかけるようになりました。以前なら、「新規事業企画」とか「事業戦略推進」といったネーミングだったかもしれません。どうやらイノベーションは、日本企業にとっては、昨今避けて通れない話題のようです。しかしながら、「さぁ、我が社もイノベーションを起そう!」と、部門を立ち上げたからといって、そう簡単に事は進みません。アートの世界に、参考になりそうな事例はないでしょうか。


印象派の起したイノベーションとは?

絵画の世界での「イノベーション」の代表例と言えば印象派。日本での人気も、大変なものです。モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌといった印象派の画家たちの作品が並ぶ展覧会は、毎回長蛇の列です。日本に限らず、例えばパリのオルセー美術館など、印象派の殿堂と呼ばれる美術館は、観光名所としても世界に名を轟かせていて、美術ファンならずとも「行っておかなければならない場所」になっています。では、印象派の起した「イノベーション」とはどんなものだったのかを、みていきましょう。

 

1874年、パリで開かれた「画家、彫刻家、版画家などによる共同出資会社」の展覧会(のちにいう第1回印象派展)が、印象派の始まりです。この展覧会が、当時の美術界、あるいは広く一般世間に投げかけた衝撃は、例えるなら、スティーブジョブズがiPhoneを世に初めてプレゼンしたぐらい、あるいはそれ以上のものだったかもしれません。展示されていた作品が、当時の「常識」とは、ことごとく異なるものだったからです。

 

それまでの絵画の主題(題材、モチーフ)は、神話や宗教に関するものがほとんど。鑑賞者に荘厳なテーマを想起させるようなものこそが、描くに相応しいものでした。描き方も、輪郭線がはっきりとしていて、筆の跡が残ることのないよう、綺麗に塗られていることが「常識」とされていました。何より、画家として当時身をなそうとするのであれば、王立アカデミー(国立の美術学校のようなもの)で学び、サロン(官展=国が主宰する展覧会)に入選することが一番の道。その道を歩むには、この「常識」をなぞるのが必須条件だった時代です。

 

ところが、印象派の画家たちが主題にしたのは日常のありふれた光景。しかも、絵の具を混ぜることなく、原色のままキャンパスに置いていく、筆跡(タッチ)が明らかに残る描き方(筆触分割と美術用語では言います)。何を描いているのか、一目ではわからないような作品だったのです。こうした、当時の常識では考えられない作品を、モネ達は、サロンとは別に独自の展覧会を開いて、世の中に示したのでした。

 

当時著名な批評家だった、ルイ・ルロワが、この展覧会を訪れ、くだんのモネの《印象、日の出》をさして、「印象しか描いていない。壁紙の方がまだ仕上がりが良いくらいだ。」と揶揄したことがきっかけで、後に印象派と呼ばれるようになったことも、逆に、印象派の画家たちの「イノベーター」ぶりを物語るエピソードです。

 

こうしてみると、アートの世界も、イノベーションは、一部の天才たちにより引き起こされるように思えますが、もう少し、印象派の背景を観ていくと、違った様子も見えてきます。

続きは「ビジネスに効く?アートな話②」をどうぞ。

【お知らせ】開催レポートがアップされています(アートフルライフ・デザインコース)

すっかりお知らせを忘れていました…。

昨年実施した「丸の内プラチナ大学 アートフルライフ・デザインコース」の開催レポートを、エコッツエリア協会さんのHPに挙げていただいてます。

コースの内容や雰囲気などを、プロのライターさんに記事にしていただいてますので、ぜひご一読ください。

【レポート】常識を外す、常識を広げるアートシンキング

今期(2019年)も、「アートフルライフ・デザインコース」は開講の予定です。企画が確定しだい、またご案内いたします。どうぞ、ご期待ください。