“アートの旅”に行ってきました (第82回タマベンレポート)

「多摩にだって大人の放課後勉強会があってもいいじゃないか!」と2012年にスタートしたタマベン。おおよそ月一ベースで細く長く続いていて、昨日9月5日は第82回。今回のお題は「あっと驚く? アートの旅!」で、タマベン“福”代表の私がナビゲーターを務めました。

さて、アートの旅というと、皆さんはどちらを目的地としたいですか?
昨日集まったメンバーにお尋ねしたところ、一番人気はなんと京都! 続いてヨーロッパの国々があがりました。海外に行けるのはいつになることやらの現状ですが、そこはオンラインのお手軽さ。どこにでも行っちゃおうということで、最初に向かった先は…。

はい、ドドーンと宇宙に飛び出しちゃいました。
ここで“鑑賞”したのはARTSATOrbital Reflector、さらにはSKY CANVASで人工流れ星も。
宇宙でアートなんて、なかなかイメージしなかったですよね。

で、地上に降りて向かった先は、地元、多摩地区! 散歩で歩いて行ける範囲という超ご近所でのアート探しの旅です。
 最初は、いわゆるパブリックアートと呼ばれるようなオブジェ(彫刻作品など)を探すのですが、そのうち「なんかこれも”アート”に見えてきた…」という感じになってくるので不思議です。単なる切り株とか、家屋の壁面の汚れまでアートに見えてきたりして…。

以降、音楽を聴いて作品を想像(≒創造)するとか、朝食のひと時で存分にアートでハッピーになるとか、そんな身近な「アートの旅」を、参加者皆さんと楽しみました。
 交流会では、熱く「アートとはなんぞや!」の議論まで和気あいあいとできて、なんとも素敵な時間になりました。

チャット上でいただいた感想をいくつか紹介しますね
 ・宇宙と八王子の壮大なアートの旅、面白かったです
 ・肩肘をはらず、普段の生活からアートを楽しむことができるんだなと今回思いました
 ・宇宙に行ったり、身の回りのものに目を向けてみたり、楽しかったです!ありがとうございました~
 ・美術館では味わえないアート、新鮮でした! 日々の中にアートが溢れていますね

 オンラインで開催するようになってすでに4か月。昨日はマニラからもご参加いただくなど、もはやタマベンも地域を超えたインターナショナルな勉強会になったなぁと実感しました。

タマベン友の会のページはこちら

丸の内プラチナ大学《アートフルライフ・コース》 10月開講です♪

注目

2015年からスタートした「丸の内プラチナ大学」ですが、今期は全コースともオンラインでの開催となります。これまで「行きたいけど丸の内までは行けない~」とお嘆き?の方も、ネットにさえつながれば、お好きなところからお気軽に参加できます。

《アートフルライフ・コース》は、今年も“多彩”なゲストをお迎えして、例年にも増して、文字通り@ホームな感じで、アートの持つ様々な魅力や可能性について、一緒に楽しむ時間にしたいと思います。
また、例年大好評の美術館でのワークショップも、希望者によるオプション企画として実施する予定です。

アートが好きな方も、それほどでもない方も、人生を豊かに彩ってくれるアートに触れる体験を、味わってみてください。

詳細と申し込みはこちら

「ワインを片手にアートで旅する」を前田龍珠園さんと開催しました♪

ステイホームの過ごし方も随分とバラエティが広がってきたような今日この頃。
 自家栽培葡萄ワインで人気の「前田龍珠園」さんとご一緒して、オンラインで楽しむ「ワインを片手にアートで旅する」のイベントを開催しました。

 元々、前田龍珠園のオーナーご夫妻は古くからの友人。企業人からワイン農家への転身という“華麗”な経歴の持ち主。<この辺の詳細はこちら記事に>
本企画、それこそオンライン飲み会で久しぶりに再会した時の雑談アイデアから具体化したもの。ある意味不幸中の幸いという感じでした。

 初回5月30日は、19世紀のフランスシャンパーニュ地方を中心に旅しました。日本のワインの歴史は、この地に二人の若者(土屋龍憲氏、高野正誠氏)が留学したところから始まったからです。ちなみに、前田龍珠園の葡萄畑は、この土屋龍憲さんから受け継いだものだそうです。

土屋龍憲氏と高野正誠氏(明治12年頃)

第二回6月13日は、ワインの歴史をアート作品で紀元前5000年頃!から振り返りました。日本人がワインを日常として楽しむようになるには、そこから時代を経ること…明治、大正、昭和も前半をやっと過ぎてという感じですが、時を重ねて生み出される「マリアージュ」が何とも言えませんね。

ギルガメッシュ叙事詩
(世界最古の文学…ワインの記述が)

 前田龍珠園のワインを飲みながら参加された皆様と過ごすひと時が、本当に楽しかったです。
 アンケートから感想をいくつか抜粋してご紹介です。

 「オンラインイベントは初体験でしたが、皆さんとのオンラインではの不思議な距離感がかえって面白く、新鮮な体験でした。」
 「家にいながら普段あまり接することのないアートの世界に最高なワインを飲みながら参加できたこと。アートの世界興味でてきました!」
 「ワインとアートとの取り合わせという経験したことのないイベント。旅というテーマも交えて、日本のワイン創成期の頃の時代背景、そして創始者のヨーロッパでの体験を感じることができてとても面白かった。」
 「時代を追ってアートでワインを解説していただき、西洋社会におけるワインの重要度が理解できました。お選びになった絵はもちろんですが、音楽とのマリアージュもとても心地よくて、思わず杯が進んでしまいました笑。」

前田龍珠園の葡萄(樹齢60年以上の古木)

オンラインでの交流会も非常に盛り上がり、「次回はぜひリアルでもこのメンバーで集まりましょう!」と、全員の力強い声で締めとなりました。

アフターコロナの世界を考えてみました(不真面目に…)

Stay Home!
先の見えない状況の中、正直、息の詰まる日々ですね。…なんて書くだけで、「こんな状況でよくそんな呑気なコメントができるね!」と、たちまちパッシングを受けそうな気がしてきちゃう、それだけピリピリとした空気感です。
日頃、「分からないを楽しもう!」とか「アートのセンスで自分の常識を変えてみよう!」と力説している身としては、何かちょっとした「思考の遊び」で、少しでも心の余裕が持てたら良いなと、こんなこと試してみました。

アフターコロナの世界を「未来の記事タイトル」で妄想する

まずは「働き方改革」から。
ビジネスシーンでの着こなしは、テレワーク主体となって、圧倒的に変化すると。着心地が最優先で、「画像映え」がそこそこであれば…

オフィス環境も、随分とこれまでのイメージと変わるでしょうね。「密室」をイメージさせる空間はかなり敬遠されそう…

当然、通勤電車なんてものは無くなる…かと思いきや、こんな感じで復活していたりして…

転勤などにも非常に少なくなって、恋愛事情も随分と違ったものになったりして…。

とまぁ、軽く妄想しても出てくる出てくる。
勿論、こんな「思考の遊び」は、コロナ禍にあたって何の役にも立ちません。でもね、自宅で踏ん張ってる普通の人が「前線で活躍している人に比べて何もできていないじゃん」って下を向いちゃうだけだと、やっぱりしんどいし、いざという時に動くパワーも削られちゃうんじゃないかなぁと。こんな妄想で、クスッとなる時間、必要だと思うのですよね。

何か「愉快な」妄想浮かびましたら、ぜひぜひお知らせください。

“アート”を仕事に活かしたいと思っている方が知っておくと良さそうなこと①

今、アートはビジネスパーソンにちょっとしたブームのようです。「アートを今の自分に仕事に役立てたい」、「話題のアートシンキングについて学びたい」そんな声を、日常の雑談レベルでお聞きすることが多くなりました。
 弊社では一昨年(2018年)より、アートに関わる講演やセミナーを色々な形で提供してきています。(例えば「丸の内プラチナ大学アートフルライフデザインコース with/エコッツエリア協会」、「青黒塾 with/日経BP社」、「アートのセンスで事業を磨く with/スタートアップハブ東京 等々) そこで得られた参加者のフィードバックから、アートを学びたい、特に仕事に役立てたいと思っている方が、事前に知っておいた方が良いのでは思う事が、浮かんできました。 参考になる方もいらっしゃればと、いくつかコメントしてみますね。

仕事を突き詰めてみることで、初めて役立つかどうかが分かる

「一体アートの何が仕事に役立つんですか?」という質問を受けることがよくあります。この質問に答えるのが実はかなり難しいのです。ご質問された方の仕事の中身は勿論、仕事に対して今どのように感じているのか、これからどうしていきたいのかを知らないと、ご本人が満足する回答にはならならいからです。だから「(アートは)仕事に役立つと思っていますが、それは本人しだいですねぇ」とお答えするのがほとんどです。これが実に受けが悪いのです。それはそうですよね。この回答では、質問をはぐらかされたとしか思えないでしょうから。

一方で、アートが実際に役立っている例は、いくらでもあります。
  ✓患者さんの心を和ませる目的で病院でアートを取り入れた
  ✓ブランドの向上のためにアートを利用している企業
  ✓アートミュージアムを核に地域振興に成果 …等々
アートは役立ちますよと言っても良い事例が山ほどあるわけですが、ここでそう言ってしまうと、アートの面白さ、可能性を伝えられない矛盾,もどかしさが生じてしまいます。なぜなら、アートは、送り手(≒作家)の“価値観”、“意味づけ”、“意図”を最初にまとって生まれてくるもので、役立つか役立たないかは受け手(≒鑑賞者)の後付の判断でしかないからです。
 ちょっと説明がややこしくなりました。ありそうなビジネスシーンに置き換えてみましょう。

あなたが新規ビジネス開発、あるいは新商品開発を担当していて、日々頭を悩ませていたとします。ある時、突然稲妻が落ちるようなひらめきがあり、考えただけでワクワクするアイデアが浮かびました。 ブルーオーシャンに漕ぎ出すような 、これまでどこも手掛けていないものです。早速に、上長に企画をあげると、「なるほど、君のアイデアは分かった。で、どれくらいのビジネス規模にいつ頃なる? 収支はどうなりそうかな? 我が社が出す意味は一体なんだね?」と切り返されました。誰も手掛けたことのないものですから、そう簡単に答えることはできません。しょうがないので、企画を通すために、世間に既にある似たような、でも自分が最初にワクワクしたものとは全く異なるものを調査したりして、それがしかの“判断材料”を入れ込みながら、当初のアイデアを何度か練り直すことになるわけです。

 アートが役に立つかどうかを聞くという事は、この上長の視点と同じという事が言いたいわけです。既存の価値基準では、新しいアイデアや意味づけを理解することができないし、場合によって、その斬新さを殺しかねないということなのです。では“生かす”ためにはどうするか。「あなた」が最初に日々頭を悩ませていたというプロセスが必要なのです。つまり自分で必死に突き詰めている時間があること。このベースがあるからこそ、自分なりの新しい“役立つ(かも)/役立たない(かも)”という判断基準が生まれてくるのです。

アートをビジネスに役立てたいと思う方は、まず自分自身がビジネスに徹底して向き合っているかを振り返ってみてください。もし、もう本当に色々と考えてみて、やってみて、かなり行き詰っちゃって…という方でしたら、アートは間違いなく何らかのヒント、アイデアをもたらせてくれる、つまりはあなたにとって役立つものになるでしょう。

今年のアート鑑賞、アカデミー賞的振り返り

本日よりいよいよ師走。少し気の早い気もしますが、今年のアート作品を振り返り、アカデミー賞(主要五部門)になぞらえて勝手に「賞」を出しておこうかと。対象は勿論自分自身が直接堪能したものに限定。ギャラリー含めて60以上の「展覧会」に顔出してみましたが、勿論見逃したものの方が沢山。「あれが無いだろう!」もあると思いますが、見ていないのでごめんなさいということで。何より、美術ファンの目線というよりは、ビジネスパーソン視点で、これは“学び”があったなぁというものを好んで選んでいますので、念のため。

★主演女優賞★ 
今年一番印象に残った女性作家は…塩田千春 
森美術館で開催の『魂がふるえる』展は、歴代2位の66万6271人(美術手帳Webより)の入場者を記録! インスタ映えする展示に、思わず「わぁ綺麗」と言ってしまった自分が、足を進めるほどにドロドロ感と向き合う羽目に。インパクトがともかく凄かったです。女性が足を運ぶ企画が大事と改めて認識。
*次点…やなぎみわ 

★主演男優賞★
今年一番印象に残った男性作家は…クリムト
東京都美術館と国立新美術館で、コラボ企画かと思うような“共演”の機会が。こういうプロモーションの仕方、ありですよね。あの作風にして、おじさん然とした風貌、それでいてやはりモテる。男性作家にはやはりミューズが必要なのかと、一人合点してしまいました。
*次点…ボルンタンスキー

★監督賞★
うまく作品を演出してくれたなぁと感じた展覧会… サントリー美術館「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」  by nendo(佐藤オオキ)
キャプションを読む派、読まない派に美術ファンで分かれるケースが多いのですが、これを徹底したよなぁと、めちゃめちゃ感心。傘をさしてそぞろ歩きするようなコーナーも秀悦。“古美術”がてんで新しく感じられました。
*次点…ポーラ美術館 「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」

★脚本賞★
展示そのものに物語のような魅力を感じた展覧会…国立新美術館「カルティエ、時の結晶」展 by 新素材研究所 / 杉本博司+榊田倫之
ジュエリーデザインには、ぶっちゃけ、縁遠かったのですが、これはもう惹きつけられました。展示空間が半端なかったです。まさに「素材」に手を加えてどう見せる(魅せる)のかという、宝飾の基本を表現したのではないかなぁと。展示ディスプレイにお金かかってるのがありありで、ラグジュアリーな世界に妥協は無いのだと、庶民として理解できる貴重な機会でした。
*次点…山梨県立美術館 「デザインあ展」, 三菱一号館美術館 「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」



じゃじゃーん、そして今年の栄えある
★作品賞★
今年見た中では最高でしょうこれ! の展覧会…「瀬戸内国際芸術祭2019(秋会期)」
悩みました。だって、12島+高松,宇野という広域で開催。単独で素晴らしい常設の美術館だって混ざってますからね。これを一つとしてカウントして良いのかと、不公平?ではないかと…いや、やはり良いのです。〇〇トリエンナーレが話題となった今年。地域に根ざしたアートの力(時に強引過ぎたり、調子がずれていたりする面も含めて)をまざまざと感じさせてもらいました。粟島で見た瀬戸内少女歌劇団は一生忘れられない体験となりそうです。

さて、来年はどんな作品と出会えるかなぁ…。
日本も飛び出していきたいと思っています。

【ブログ】ビジネスパーソンがアートを”気軽”に楽しむ方法 <漫画編>

アートを楽しむというと、流行りの展覧会に行くことぐらいしか思い浮かばない方に、誰でもお気軽にアートを楽しめる方法はないかと、私自身が実際に試してみて、これは♪と思った内容を、気ままにお伝えさせていただきます。 第一弾は<漫画編>です。 「美術漫画」(アート漫画)で検索すると、お薦め10選といったサイトをいくつか発見できます。こちらから、好みのものをいくつか読んでみるのから始めてみるというのはいかがでしょうか? 美術知識をしっかり得られるような作品や、業界の裏話に通じるような話し、美大生の青春を描いたものなどなど、多彩です。作家(マンガ家)のアートの料理の仕方で、自分にはなかった視点に驚いたり、「これわかるぅ~ぅ」といった親近感を感じたり、混んだ展覧会で疲れるより、はるかに感動があるかも。 実際に読んでみて、こんなチャートを作ってみました。選書の参考にしていただいたら嬉しいのですが、こうして色々読んだうえで、自分なり作ってみること自体が実は超面白いです。 ビジネスパーソン、特にマーケティング経験者にはお馴染みの「ポジショニングマップ」作りですね。どうです、こう聞くと俄然、真面目に漫画読みたくなりませんか? 「漫画でアート語るなよぉ~」という御仁はいらっしゃらないとは思いますが、そんな方には、かのルーヴル美術館がバンドデシネ(フランスの漫画…厳密には日本の漫画とは異なりますが)を「第9の藝術」と呼んでいることを知れば安心するかも。日本でも2016年にそれこそ展覧会が開かれましたね。 ということで、漫画でアートを知る、いえいえ、漫画そのものもアートでした、という話でした。どうでしょう? これならお気楽でしょう(^^)

【ブログ】「描く」ことの大切さを知り、試したくなる本 三冊 

今一つなブログタイトルですが(苦笑)、ともかく「描く」ということの素晴らしさを教えてもらった”書籍”を、ぜひぜひ紹介したくなったので…。


『アンジュール ある犬の物語』ガブリエル・バンサン

鉛筆で描かれた犬の物語。一切の文字もなく、色も黒一色。
しかし、その表現の深みと、受ける印象の強さたるや…。

「あぁ、読んだことあるよ」という方も多いだろう有名な絵本ですが、本屋さんで久しぶりに再会して、あまりの”美しさ”に鳥肌が立ちました。
”余白”もこれほど雄弁になれるなんて…。


『ブルーピリオド』 山口つばさ

コミック誌に連載中の漫画を「好みの作品だと思いますよ」とご紹介いただき、読んでみたら、これが凄く面白い! ある意味、初心者向けの美術、特に絵画制作の手引きといった面持ですが、主人公とともに一緒に考えたり悩んだりしながらのドリルとしても十分に活用できそう。美大を目指す受験生の気分を味わえます(1巻~4巻までのところ)

『直感と論理をつなぐ思考法』 佐宗邦威

ブームになりつつある、”ビジネスマンもアートを学ぼう”系の解説本かなぁと思ったら(帯文を作った編集者はその意図ありそうですがw)、どうやって鍛えるかの方法を具体的に示してくれている、実践したい人のための書籍。これはいいですね。

えっと、まとめますと、知識は頭の中にある間は、何の役にもたたないということで、実行あるのみ。「描くこと」が大事そうと思ったら、自分でまずは試してみようと。そこから見えてくる景色は、随分と面白いもの、自分のものになってきます。そして他人と語り合えるようになってくる。
崇高なビジョンだって、人様に触れてもらえる形として「描く」ことをしなければ、実現はもとより、磨かれることがないのと同じですね。

はい、私も最近、かなぁり手を動かしながら、頭の中を文字に限らず表すようにしています。その効果は…まだまだ未知数…いえいえ、”余白十分”かと。

 

 

 

【ブログ】アートは桜に勝てない? ~ブランディングの本質(六本木にて)

春の六本木、ミッドタウンを歩いていると、目を引くサインボードが!

ストリートミュージアム』!
“2018年度アートコンペ受賞作家6名が本展覧会のために制作した、インスタレーションや彫刻などの最新作がプラザB1に登場します。
今注目の若手作家の才能と個性あふれる作品をぜひお楽しみください”(ホームページより抜粋)

これがなかなかに素敵な作品が多く、公共の場所でこんな鑑賞ができるなんて、さすが六本木はお洒落だわぁ~と。

そこで鑑賞すること数十分…で、気づきました。
「あれ? ほとんどどなたも、気にとめていないんじゃない??」

平日、昼間の時間帯で、行きかう人が多いというほどでもなかったのですが、(だからこそ?) もっと多くの人が立ち止まって作品を楽しむのかなぁと思えば、ほとんどの方が目もくれず素通り。

こんなに「美しい」「面白い」のに、勿体ないような気も。まぁ、私のような都心おのぼりさんには物珍しくとも、都会の方々には、日常に溶け込んでいることで関心がわかないのだろうとも推察。

ところが、地下通路から地上にでるとこんな光景が。

そうです、桜です。
こちらは、もうひっきりなしに皆さま立ち止まっての写真撮影!
その注目度たるもの、まったく異なります。

「アートが桜に勝てない(≒注目度で差がつく)理由は何だろう…??」と、考えての自分なりの勝手な結論が「ブランディング」。

今回の”(ストリート)アート”と”桜”の違いを考えると、「自然と人工」「香りとか風とか、五感に感じる部分」「屋外と屋内(鑑賞環境)」…とか、色々と浮かんできましたが、それらはたいしたことではないのかなと。
「見えないものがどれだけ見えてくるかどうか」
の差が一番大きいのではないかと。これこそが「ブランディング」なのかなと。

 

”桜”にはみなさんこれまでの人生における経験値の量が半端じゃないんです。春の時期での様々な思い出が、”桜”に連動しているとでも言えばよいでしょうか。さらには、古典文学から流行の歌などを代表に、これまで”桜”に関する情報を取り込んできており(≒刷り込まれており)、日本人なら”桜”に、何らかのイメージ(好悪限らず)を必ずのようにお持ちです。
な、の、で、”桜”には抗えないブランディング効果(認知していて、自分のなかで何らかの意味付けがされている状態)が備わっているわけですね。通りすがりにちょっと出会った「アート」から想起されるものとは、圧倒的にインパクト(反応)が異なるわけです。

ということで、アートに限らず、新規「ブランド」を立ちげる時には、UX(ユーザーエクスペリエンス)体験をいかに素晴らしくデザインしようとも、すでに確固たるポジションをとっている競合(強豪)ブランドの時間と経験の累積効果(≒歴史、文化)に対して真っ向勝負はかなりきついという教訓?が得られるわけです。
むしろ、相乗り<*注記>のほうがお得感が、ありそうですね。
*好意的に受け止めても、真逆を提示しても、いずれにせよ既存ブランドのイメージを”利用”する

”相乗り”オブジェの例 …いわゆる「見立て」(同じく六本木にて)

と、小難しい話にしてしまいましたが、六本木の散策がめちゃくちゃ楽しかったというのが、一番お伝えしたかったところ。
あ、これぞまさにエリアの「ブランディング」効果かも(^^)

【ブログ】ビジネスに効く?アートな話③ 「印象派に見るイノベーションの極意Ⅲ」

絵画の世界で有名なイノベーションの一つと言えば「印象派」。一部の天才たちにより引き起こされたようにも思えますが、印象派の背景をもう少し見ていくと、彼ら彼女らは、単に時計の針を早く進めたことが分かります。
(ここまでの内容は、ビジネスに効く?アートな話① & ビジネスに効く?アートな話② をご覧ください)

ビジネスパーソンが最も知りたいことは、この時計の針を早く進めることかもしれません。そこで、印象派の様子を、マーケティング理論ではお馴染みの「PEST」になぞらえて勝手に考察してみました。

 

これまでの指標に当てはまらないのがイノベーション

勿論、印象派の例を従来の「PEST」にあてはめてみても実はあまり意味がありません。そこでイノベーターを分析をする新しい「PEST」を考えてみました。

P=People(人)

企業でイノベーションを起そうと思い立ったら、「変人(異端な人)」を集めて、チームにしてしまうことから始めましょう。それも既存組織上の部門にするより、「イノベーション派」として名乗らせた方が、より効果的かもしれません。

企業内でMBAホルダーがもてはやされた後、「変わった人」「使いにくい人」としてフェードアウトしていった例がありますが、これは既存部門に配置したがための当然の帰結です。普通の人の集団に、イノベーターを天才として認識させることはほぼ不可能です。それより、何だかわからない連中として目立たせた方が、その存在を認めさせる可能性は、何倍も高まります。「印象派」として集団として目立ったからこそ、その存在が世間で広く認知されたのと同じことです。

 

E=Emotion(感情)

事業トップがこれはと思うメンバー、”次代のエース”を選抜してイノベーション推進を任せるというケースが多いと思いますが、これは止めた方が良いかもしれません。

印象派の画家たちの中に、王立アカデミーから指示を受け、「異端」の作品を描いた者は一人もいません。「今のやり方、進め方に飽きたらない」という想いを持った個人が、勝手に動けるような形にする方が、強い推進力を生むのではないでしょうか。

 

S=Safety(安全)

これも非常に大切です。イノベーターと呼ばれる人たちの、普通の人にはわけの分からない行動は、単に咎められない(ペナルティを与えられない)だけでなく、むしろ思う存分やらせてあげる環境を整えることが重要です。

印象派の画家たちは、何となく貧乏なイメージが浮かんでくるのですが、実はブルジュア、お金持ちの子息が多いのです。だからこそ、革新にかける時間と心の余裕が持てたと言えるでしょう。明日の生活に困る状態で、長く「異端」を続けることは、かなり難しいことなのです。

 

T=Trial(実践)

イノベーションのアイデアは、企画書で判断してはいけません。いや、企画書を書いている暇があってはまずいくらいです。

「こんな作品を描こうと思っているのだが…」と、画家に長々と説明してもらっても、その画家の技量や感性を推し量ることはできません。実践を重ねることで、アイデアが形となって、周囲の人間の目に触れ、絶賛であれ酷評であれ、何らかのフィードバックを得ることで、イノベーションが進んでいくわけです。

 

《印象、日の出》は、全体にモヤモヤとした画面の中で、くっきりとした太陽のオレンジ色が、本当に鮮やかに輝いて見えます。

本当のイノベーションとは、取るに足らないように見える一つ一つの積み重ねがしだいに形となって生まれてくるもの。先行する「変わった人たち」が、その形を眩い光として感じ、示してくれることで、一般の人間が初めて認識し、心動かされるものなのではないでしょうか。100年前に興った印象派に、ビジネスパーソンが学ぶことは多いように感じます。

…と、勝手なうんちくを語るのも、美術の楽しみ方の一つかなと。